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「数息観評点記録のすすめ」
 
丸川春潭
 
 小生の半年間の実践経験ですが、数息観評点基準に従って一日一炷香の評点付けをすることにより、従来では踏み込めなかった数息観の質の点検に踏み込むことができ、己の修行レベルに客観的視点を加えることができるようになった。その結果、昨日よりも今日、今日より明日こそはと、日進月歩で自分の数息観を深めてゆくことができ、ややもすればマンネリに陥りやすい一日一炷香に精彩を加えることができるようになった。
それは数息観の一日一炷香という地味な努力の継続という修行が、明確な客観的数値の目標の設定により、その結果を自分で確認できる方式が確立できたからである。その効果には、始めてみなければ、実践してみなければ予想もできなかった驚きがあった。
 
日常における人間形成の手堅い道がここにあったのである。そもそもわれわれの人間形成の禅は、公案を用いた道眼を開く参禅弁道と、三昧を身に付け道力を養う数息観法の日常的実践から成り立っており、この両方の柱によって臨済宗の人間形成教育システムは構築されているのである。
しかし従来より、前者の参禅弁道の修行の方は、明眼の大宗匠耕雲庵老大師の瓦筌集によって人間形成の過程に従う明確な目標設定がなされ、それにしたがっての正脈の師家の厳しい指導が実態として確立されていたが、後者の方は、耕雲庵老大師の「英山の今日あるは、一日一炷香を正直に続けてきたからである」との述懐に基づく、「一日一炷香のすすめ」の連呼に終始しており、最初に述べた数息観の質的検証と、そのレベル(目標)の設定がなされないまま今日に到っていたのである。それでは参禅弁道では低きから高くへとの段階を歩めるが、修行の両輪である数息観による道力の進歩については成長過程がつかめない状態におかれることになる。そこに踏み込む試みがこの数息観評点基準と評点付けなのである。
 
この数息観評点基準は、人間形成の最初から、人間形成を全うする最後までの全行程を網羅したものである。一人でも多くの方が、本当の自分探し(人間形成の禅)の道に入り、全ての人が本当の自分をしっかりつかみ(人間形成を全うし)、正しく楽しく仲の良い社会建設プロジェクト推進が進展する縁(よすが)にこの試みがなることを祈念し筆を擱く。                        合掌 
 
【注意】
次頁の数息観評点基準を見て実践される人は、先に耕雲庵英山著「数息観のすすめ」を読んでおいて下さい。(数息観初期、中期、末期、あるいは「二念を継がず」「一念不生」等は、そこで定義されて説明されています。)
特に、70点以上に進まれた人は、拙話「提唱録:「数息観を深め味わう」(中期数息観)をお読み下さい。
また80点以上の方は、提唱録:「数息観を深め味わう」(後期数息観)をお読み下さい。

 
【数息観評点基準】2010.8.10設定、9.9、9.22、11.1、12.8改訂
         2012.1.1.改訂 


0点: その日数息観をせず。
30点: ちょっとした待ち時間、通勤途中の電車内などで、初期の数息観を実行した(数息の質は問わない)。
40点: 始業前、休憩時間など、空いた時間に(椅子に座って)合計15分以上数息観をし、数息観初期の1から100までを実行した。
45点: 半炷香(約25分間)以上静坐し、数息観初期の1から100までを間違えずに数えられた。
50点: 一炷香静坐し、数息観初期の1から100までを間違えずに1回は数えられた。
54点: 数息観初期の1から100までを一炷香を通して間違えずに数えられた。(45分間では、100までを3から4回数えられる。)
55点: 数息観中期の「二念を継がず」を1~5までは何回か達成できた。(54点までが、数息観初期、55点からは、数息観中期に入る。)
58点: 数息観中期の「二念を継がず」を1~8まで、1回は達成できた。
60点: 数息観中期の「二念を継がず」を1~10まで1回達成できた。(ここから以上は、数息観中期の「一念不生」が始まり、数息観のメインは「一念不生」になる。*ここから数息観の質は大きく変わることに注意。「二念を継がず」に比べ、「一念不生」は頭燃を掬うが如き気合いと集中力がなければできない領域になる。質の点検に留意。
65点: 一念不生」を1~5までは達成できるようになった。
70点: 数息観中期の「一念不生」を1~10まで、1回は完璧に達成できた。
*この70点の達成が一つの大きなステップとなる。初関を透過し道号を持った段階の者はここはクリヤーしてしかるべきである。
75点: 数息観中期の「一念不生」1~10までが2回連続も含めて安定してできた。(ここから少しずつ数息観後期(息を数えない数息観)を試み始めても良い。)
*ここからさらに質が変化し、数息観の真の力を感じることができるようになる。
*人間禅の風大級に進級した者が、日常において五蘊皆空を実践するには、ここはクリヤーしておくべきである。
80点: 数息観中期の1~10までが5回連続も含めて安定してでき、後期が数分安定して続けられた。
*ここからさらに質が変化し、数息観の醍醐味を感じることができる。
85点: 一炷香において、完璧な正念息が20分継続できた。
*数息観中期でも後期でも問わず、正念息(雑念が入らなくて良しではなく、正念に住した数息を厳密に追求するために導入した新語、一念不生より数段厳しい。)の継続が必要である。
*後期の更に先にある忘息観法(数息観法から離れ、純粋に只管打坐になる)の世界に入る。
90点: 一炷香が、ほぼ正念息となった。
100点: 【              】
 
【備考】
評点付け :
この評点付けは、主観評価であるから、絶対値に重きを置かず、      自分の向上を自分で反省することに意味があるものである。
:5点刻みではなく、1点刻みで評点を記録すること。
:表に記入すること。望ましくは折れ線グラフにしてその推移を残し、自分の反省の糧とするとよい。 
:一週間、一ヶ月の平均値も出して、励みにすると良い。
:主観評価であり、絶対値に重きをおかずという前提の元に、仲間で(東海支部や西東京が行っているキャラバン)この評点を交換しあって励まし合うのも良いでしょう。


数息観評点基準(Word形式) (/uploads/ckeditor/files/20131111073403.doc)

平成29年数息観評価表ver3(Excel形式) (/uploads/ckeditor/files/20170122182717.xls)

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