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「直心影流法定之形」

                平川 法舟(2006年8月記)

 禅をはじめて少ししてから、教団付属の宏道会で剣道を習い始めました。宏道会では、坐禅と、とりわけ古流の形が中心でしたので、20代後半の私には、無理なく稽古ができ、幸運であったと思います。これから、私の人生に禅とともに、大きな影響をあたえた古流の形の一つ、直心影流法定之形をご紹介します。
 法定之形は、春夏秋冬に分かれています。この法定四本の形を行う前に、努力呼吸による脚の習いをやります。両手を下腹部にあてて両足を揃えた直立姿勢から、大きく、口から息を吸って、吸った息は気海丹田に納めて、そのまま前に出るときは、前足は床と直角に、後足は、ひかがみを伸ばして、前足の踵から爪先とおろして前進します。反対に退く時は爪先から踵とおろして後退します。
 この時の気概は、一歩一歩脚で、地球をつまみあげて歩くということで、その時に大切なことは前進後退の中に雑念を入れないように、真剣にやるということです。坐禅では、まず正しい姿勢で、自分の呼吸を数えます。これを数息観といいます。この時、吸う息、吐く息の中に雑念を入れないように一心に行います。雑念を入れないということは、正念に住することでありますから、法定の努力呼吸も坐禅の数息観と同じく、正念相続の修業といえると思います。 
 次に、木刀(そりのない鍔の無い太い直刀)をもって、打ち込みの練習をやります。充分息を吸いながら上段に構え、吸い込んだ息は下腹に納めて、地球を真二つの気概で、全身全霊をこめて打ちおろします。その時、吸った息は、腹の底から一気に全部吐ききるようにします。打ち込みは、法定の基本ですが、この打ち込み一本ができれば、法定はこれで終わりというくらい大事なものが入っています。簡単そうで命をかけた本当の一本を出すことは、なかなか難しく奥が深いものです。 
 それから、法定四本の形の稽古に入ります。 一本目は、八相発破といって、春にたとえ、機先を制することを主眼として形を行います。 二本目は、一刀両断といって、夏にたとえ、断ち難きことを一刀両断することを目的として、修練し、夏期炎天焼くが如き気迫を練ることを主眼とします。 三本目は、右転左転といって、秋の天候の変わりやすさにたとえて、臨機応変問題をテキパキ処理することを主眼とします。 四本目は、長短一味といって、冬にたとえ、死生不二、いかなることに臨んでも、不動心で対処することを主眼とします。 四本目(冬)で終わりかというとそうではなく、また春・夏・秋・冬というふうに循環していきます。 
 小川忠太郎先生(無得庵刀耕老居士)は、次のように述べておられます。「法定之形四本の中心をなすものは直心、至誠といってもよい。その至誠の働きはやむときのない、自然界の春夏秋冬と同じである。それが法定四本の形にあります。」

合掌
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