メインメニュー
ブログ カレンダー
« « 2019 10月 » »
29 30 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 1 2
擇木道場

〒110-0001
東京都台東区
  谷中7-10-10
TEL 03-3823-7647

当直が座禅中や作務中は、電話には出られません。このホームページからお問い合わせお願いします(回答は夜以降になります)

検索
カテゴリ一覧

擇木ブログ - 20191009のエントリ

摂心会を直前にして

カテゴリ : 
老師通信
執筆 : 
擇木道場 2019/10/9 21:19

摂心会を直前にして

丸川春潭

 摂心会は、人間形成の二本柱の片方で人間形成の禅にとって大変重いものです。単に参禅修行の機会があるということだけではなく、一週間かけて心を摂するところに重要な意味があります。

摂という字には、「散乱しないようにおさめる。いくつかの物を合わせて束ね持つ。」等の意味があり、摂心会となると心を散乱しないように収める会、すなわち集中・三昧の鍛錬期間でありそれをやる会ということになります。

摂心会は、一日一炷香の三昧養成とは異なり、師家と一対一で商量する参禅を中心にして、座禅三昧、作務三昧、食事(粥座、斉座、薬石)三昧等全ての行事において三昧を継続し深める期間です。まさに三昧を身に付ける重要なそして貴重な機会です。

いつも云っていることですが、公案透過が目的化されると参禅だけが大切でそれ以外の行事は意味が軽くなってきます。こういう人は、公案は進んでも人間形成は進みません。人物が醸成できないのです。まさに耕雲庵英山老師以下歴代の師家方が厳しく戒めておられた禅学者(公案の見解は知っているけれども、公案に込められた境涯が身に付かない、単なる物知りの評論家)になるのが落ちです。

在家禅修行の両輪の片方である摂心会は一週間詰め切りが基本です。それにより24時間三昧に打ち込み、それを一週間継続することで、三昧が身に付き人間形成が進むのです。この三昧が身に付く意味合いは、道眼と道力の両方が融合したものです。参禅修行に、座禅三昧、作務三昧、その他道場での24時間の三昧行が渾然一体となってはじめてできるものです。これが人間形成の禅の命です。

ただ在家禅の難しさは、社会的責任や家庭での責務等により、結制から円了まで門外不出ということが、余程条件が揃わなければできないということです。そこでやむを得ず出勤したり自宅に帰ったりしなければならなくなるのですが、大切なことは、基本をしっかりと認識し、それに如何に近づけるかということです。

サラリーマンが朝の参禅後に下山して会社に行き、定時後は道場に帰ってくる。摂心会の一週間はこの道場を自分の居場所とし、できるだけ休暇を取る工夫を加味し、できるだけ基本に近づける努力が必要です。

要は参禅の回数を単に重ねるということではなく、一週間をかけて段々と三昧を持続し深め身にすり込んでゆく修行が何よりも必要なことであり、これが出来るのが摂心会というものなのです。

一昨日、7年前のノーベル賞受賞者の山中京大教授が、人生はVvision)とWwork hard)が大切だと言われていました。Visionは目標・目的であり、日常に流され、当面の仕事に埋没してともすればVを見失いがちになるのだけれど、このVを常に意識して日常に埋没しなかったのが自分には良かったと述懐されていました。今年の受賞者の吉野博士は、柔軟と拘り(剛直)を併せ持つことが必要と言われていました。これらの発言は、在家禅者の修行にも大いに参考になる話だと思いました。

一年間52週間の内の3回の摂心会です。これを基本形にどれだけ近づけてそれを積み重ねられるかが人生なのです。(つづく)


  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (99)

Zen2.0に参加しました③

カテゴリ : 
座禅ブログ
執筆 : 
擇木道場 2019/10/9 19:52

 擇木道場の風印です。

 鎌倉の建長寺で921日、22日に開催されたZen2.0に参加しました。

 当道場では、座禅の他に参禅(公案を用いて禅問答によって境地を開く臨済禅の修行)することも出来ます。その時は一毛呑海(いちもうどんかい)という、飲んだり食べたりすることに関わる公案を頂いていたので、良い見解(けんげ)が出てくるといいなと思って食べる瞑想に参加しました。

 以下、食べる瞑想の内容を記載します。乏しい理解のため、誤解を生じている点があるかもしれませんが、どうぞご容赦下さい。


Zen20に参加しました③


921日 「食べる瞑想」:島田啓介様


 弁当の中身が見えるように開いてみる。

 私たちはこれが食べるものだということを知っている。口の中に入れて身体の中に入れることを知っている。

 食べ物がやってきた経路を想像してみる。

 全ての過程において、様々な人の手がかかっている。そのプロセスを信頼するから食べられる。

 前のセッションで大地に完全に身を任せる瞑想を行ったが、それと同様に食べることは身をまかせることである。

 食べる瞑想をすると、身体に良いものだけでなく、そうでないものも入ってくることに自覚的になる。ある程度身体に毒でも、免疫によって身体が取り込んでくれる。

 当たり前のことを、それが新たに生まれたことのように新鮮に体験してみる。

 他の人と一緒にいただくことが身体や心の栄養になる。

 食べることで様々なものとつながることができる。


 最初に一つの品目を選ぶ。

 それがどこからやってきたか想像する。どのような経路を経て、どのように調理されたのか。

 ゆっくり口の中に入れて、50回カウントして噛んでみる。

 そうすると、ふたくち目以降も味わい深くなる。

 15分間無言で食べてみる。


○こどものための食前の祈り

 食べ物は宇宙全体のめぐみ

 関わった人に感謝

 食べられる分だけ無駄にしない

 いただいた分だけ人を大切にする

 仲良くなれるように感謝していただく


 早く食べるときも、丁寧に食べることが大切。

 早歩きに気づいてゆっくり歩くと心も穏やかになる。

 ある瞬間だけでも良いので、あえてゆっくり歩かないと周りの状況が見えてこない。

 切羽詰まった時にあえて脱力すると、妄想から目覚めて現実の世界が見えてくることがある。それは日頃から心がけていないと難しい。普段から微笑む呼吸を心がけてみる。

 

 イライラしていると、料理を作るのもなげやりになってしまうことがある。そんな時にみじん切りや千切りに集中してみると、気持ちがおさまることがある。


922日 「叡智ある思いやりの連鎖~コンパッション・食べる瞑想~」:荻野淳也様


 私たちは頭だけで考えがちだが、そうすると身体が求める意図を無視して頭だけで動いてしまうことになる。自分自身とつながるには、マインドフルネスや座禅をすると良い。

 働くことは一人一人の自己表現でもある。自分の内から立ち上がってくること(価値観、使命感、ワクワク、楽しいなど)と普段から意識してつながってみる。

 マインドフルネスで思いをとどめたり、思い出すことによって、自分が何を求めているのか、何を自己表現したいのかに気づくことがある。また、自分の身体感覚、感情、長所、短所を知り、自己認識力を高めることができる。

 本当の自分自身を知っていくことができ、自分自身の最適化を図ることができる。


 人は一人では生きられない。社会の中で人として生きていくためにはコンパッション(思いやり、相手に寄り添う能力)が必要である。マインドフルネスとコンパッションは切っても切れない関係にある。

 リーダーシップ、マネージメントの分野でも、セルフコンパッション(自分自身が自分に対して思いやりを持つこと)が注目されている。

 うつ病の人が真面目さゆえに自己批判して、「自分なんてダメ」とダウンしてしまうように、自分には価値が無いと自己批判することが、燃え尽き、うつ、自殺に繋がることがある。これらは世界的な問題となっているが、改善されていない。


 これらの問題を解決するには、これまで生きてきた次元の中ではなく、より高い次元、メタな視点で物事を見ていくことが必要である。

 私たちは、何かをやり続けて社会から認められる成果を出さないと価値が無いと考えがちである。しかし、家族や友達が側にいるだけで有り難いように、そのままでも価値があるのである。

 DoingからBeingへの転換が必要なのである。


 ペアを作って、お互いに「あなたの素晴らしいところはどこですか?」と繰り返し問いかけてみる。

 その問いに答えることで、自己認識やセルフコンパッションを高めることができる。また、問いかけた人は、相手が「こんな素晴らしい人、温かい人なんだ」と知ることができる。


 ネガティブな感情が湧いてきたら自己認識を高めるチャンスである。なぜその感情がわいてきたか振り返ることで、宝物がみつかるかもしれない。


 弁当を開いて、今ここに注意を向ける。どんな気づきが立ち上がってくるか。五感を開いていく。視覚で味わう。

 余計なジャッジメント、批判、批評を手放して、食べ物の色、食材、調理法などを観察する。


 初めに一つつまむ。

 つまむ瞬間の触感を感じながら観察する。食べ物の重さを味わう。持ったものを眺める。色、形を観察する。におい、臭覚を感じ、口の中に唾液が出てくる感覚に気づきを向ける。

 早く食べさせてくれという感情を味わう。


 口の中に入れて舌の上にのせる。味覚や口の中から鼻に通ってくるにおいを感じる。

 ゆっくり、少しずつ噛んでいく。

 味の変化を感じつつ飲み込む。噛むとき、飲み込むときの音を感じる。

 におい、味、音、視覚、触覚、五感をフルに使って味わって食べる。


 瞑想する時間の長短が問題では無い。今ここに気づく深さで、主観的な時間が変わる。

 何種類の食材があって、何人くらいの手がかかっているのか。注意を向けて食べる。

 生産者→収穫→農協→検品→箱に詰める→運送会社→市場→作る人、と一つの食材に10人以上の手がかかっている。

 私たちは自分一人でコントロールしていると思いがちだが、色々な人に支えられているのである。

 インタービーイング、即ちお互いに関係性のある存在であることに気づきを向けると感謝がわいてくる。

 人の有り難み、つながりを感じる。食べながらわいてくる感情、言葉を観察する。

 おなかの満たされ具合、空腹感、満腹感を感じる。


 食事は2食で十分。3食摂ると、糖をエネルギーにする身体になる。

 脂肪をエネルギーに変えるには食事の間隔を1215時間あけることが必要である。そうするとエネルギーを効率的に燃焼でき、エネルギー切れになりにくい身体になる。


 ゆっくりしたペースで食べると満腹感が出てくる。庭を見ながら食べる。


Zen20に参加しました③


 気づきの力が高まると自己認識力も高まる。

 ベクトルが合ったとき、共感やコンパッション、美しいものがみられる。観察力を高め、人間性を取り戻すのがマインドフルネスなのである。


 コンパッションの「コン」は苦しみ、「パッション」は共にいることを意味し、それは本能に基づくものである。

 苦しんでいる人を助けると、「良いことをした」と感じ、オキシトシン(幸せホルモン)が分泌される。オキシトシンは、誰かを大切にしたり助けたりしたときにわいてくる。

 しかし、「恥ずかしい」「誰か見てる」などの思考が邪魔になって躊躇してしまうこともある。そのような評価判断をせずに動ける習慣をつくるのが、マインドフルネスである。


 YouTubeがより長く滞在してもらえるように動画をアルゴリズムで操作しているように、私たちの感情、脳や思考はハック(操作)されている可能性がある。

 デジタルと離れて自然な感覚を取り戻し、本当の自分の感覚に帰るのがマインドフルネスなのである。


合掌 風印 拝


  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (122)
最新のブログ記事