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擇木ブログ - 私は何故座禅を始めたか?③

私は何故座禅を始めたか?③

カテゴリ : 
座禅ブログ
執筆 : 
擇木道場 2019/9/7 19:11

 肝心な公案のお話ですが、この公案の取り扱い方法は、就いている老師のお考えにより、相違があると思いますが、その方はまず数息観から始まり、それがある程度こなせるようになってから公案なのでした。公案をもらったら常時公案に取り組み、公案に成り切れでした。

 そこに通い始め暫くして、老子に公案指導をお願いした事がありましたが、しかしながら許されませんでした。その時言われたのは[座禅の修行というのは、今日此処に来たら自分が今日此処に来たという痕跡を残さない事だよ]でした。

 その次の回から座禅会の1時間早めに行って、私は寺の掃除をするようになりました。痕跡を残すな。ですから座禅の後掃除するべきなのでしょうが、時間的にそれが無理だったので始める前にしていました。一人作務です。そのうち段々他の方も参加し、一緒にやるようになりましたが、廊下の雑巾がけもさることながら、棚の上の物をどかし、その下を拭き、また元あった通りにそれを戻すという事、そこにそれがそのような形で置いてあるという事は、置いた人にはそのように置く理由があると考えると、全く同じ様に戻さなければならない。そう考えるのですが、その単純な事が案外できなかったのです。

 そんな事をしながら3年ほどたった頃でしたが、老師より(もう掃除はしなくて良い)と言われました。いよいよ愛想を尽かされたかと思いましたが、その日の座禅会から独参をようやく許されました。

 それからまた瞬く間に年月が流れ、その老師に参じて25年ほどが経ちました。今はその方もお亡くなりになっています。長きに渡り良く私のような者に痺れを切らさず、お付き合い願えたものだと、ただただ感謝しております。

 ただし不謹慎な話ではありますが、老師が亡くなり、それはどうしようもなく悲しい出来事でしたが、反面これであの恐ろしい独参をしなくても良いのだ。そのような安堵感も私にはあったのです。

 しかしながらその安堵感等束の間でした。それどころか、自分は今まで老師と言う大樹に寄って立っていただけだと言う事を思い知りました。老師がいなくなれば、私はまた不安の渦中の人でした。私の中の始めの一歩の疑問はすっかり氷解した訳ではないのですから。

 それであれば、やはり新たに師匠が必要なのです。一人でやる座禅というものはあり得ないからです。座禅修行をやる上で絶対条件は、正師に就く事、また良き道友に恵まれる事。これに尽きると考えます。

 その後数年曹洞宗の座禅会に参加していましたが、やはり公案のない座禅修行に物足りなさを感じ始めました。そして、この度また当座禅会に巡り会え、良き師に巡り会えたのは、私にとり本当に幸運な事と考えます。この滅多にない好機を舐めるように吸い取らなければならないナアーと思いますが。私も非常に怠惰な人間な為、何時も自分の惰気との戦いです。これは一生そうだと思います。そこに何があるか分かりません。ただその戦いが続いて行くだろう事は分かります。それしかないと思う。

 最後に新参の方に申し上げたいのですが、師匠が弟子を救おうとするその無償の行為は、何故と思えるほど常人には理解できない無償の行為です。物事を自身の利害得失で考えるのが当たり前の昨今の日本において、まだこの様な文化が僅かに残されている事。それに今自分が触れていることの幸運を理解して欲しい。独参はその師匠と裸でぶつかり合える唯一の幸福な機会です。苦しいだろうが共に歩いて行きたいと思います。

 ご静聴ありがとうございました。


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私は何故座禅を始めたか?②

私は何故座禅を始めたか?③


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