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擇木ブログ - タイ・スカトー寺瞑想合宿④プラユキ師の法話-3

タイ・スカトー寺瞑想合宿④プラユキ師の法話-3

カテゴリ : 
座禅ブログ
執筆 : 
擇木道場 2019/7/26 22:41

 前回のブログの続きです。

 十二因縁は、ブッダが菩提樹下にて悟り得た知見であり、苦しみがどのように生じてくるのかを正しく理解し、苦しみを滅するための原理です。十二因縁により心の嗜癖、パターン、衝動性、自己概念、即ち自己中心性が注入されたものの見方、反応のあり方が明らかになります。
 十二因縁(苦の生起のサイクル) は、無明、行、識、名色、六処、触、受、渇愛、取、有、生、老死(諸々の苦)に分かれます。無明から触までは今までの習慣から無意識に発生する現象です。例えば、ベンチを見て無意識に身体を休めるところだと思うようなことです。花とナイフを見せられてどちらに注目するか、ナイフを果物を剥くものと捉えるか、それとも人を刺すものと捉えるかは人によります。

 無明(アビッチャー)は、ものの見方を知らないことであり、観(ありのままに見ること)と対比される概念です。自分の心身に起こっていることから目を背けたり無視することで、今ここに無いものを想像して事実と思い込んでしまう妄想が生じます。自分の心身に起こっていることが分かっていないから、苦しみや痛みにはまり込んでしまうのです。

 行は無自覚的なあらゆるアクション、識は認識を成り立たせるもの、名色は精神と肉体を言います。
 行について、複雑に装飾する心があるから迷いが生じるのです。シンプルに分かりやすく行動すれば、迷いがなくなります。一期一会の精神で、相手と対しているときは全力で向き合います。たとえ失敗したとしても、その対応次第では逆に評価が高くなることもあります。結果を恐れずに、常に今ここでベストを尽くすことが大切なのです。
 名色に関して、真実諦(勝義諦:しょうぎたい)は、「私」や「あなた」といった視点から見るのではなく、心という現象を細やかに観察することから生じてくる世界観です。
 これに対して、世間諦はコンセンサス・リアリティーとも言え、現実世界でコミュニケーションするために必要な、自我的な視点から見た世界観です。世間諦は世間の真実であり概念に過ぎませんが、世間諦を否定・嫌悪したり「すべてが幻覚だ」と捉えると却って生きづらくなってしまいます。他方で文化のしきたりや習慣に囚われると窮屈になってしまいます。世間諦を認めた上で、調和的な視点を養い、偏らずに見られるようになることが大切です。

 触は認識であり、六処(眼耳鼻舌身意)と、六境(色声香味触法)と、六識(眼識・耳識・鼻識・ 舌識・身識・意識)を合わせたものです。六識により心の癖が生じます。

 受は心のサバイバルセンサーであり、快、不快、中性の何れかに分かれます。瞬間瞬間、目に入るものを美味しいか不味いか区別するのは、生きていくために必要なことです。不快感を感じるのはシグナル(危険信号)であり、それによって生き存える可能性が高まり、生命が守られるのです。不快感がなくただ感じるだけでは危険なのです。
 快を感じると、もっと欲しいとしがみつき、より強く求めてしまいます。これを貪と言います。
 不快を感じると、本能的に反発(斥力)が生じ、不快感を無くそうとしたり、逃げようとしたり、後悔が生じたりします。このように起こってきた現象を見極めずに本能的な反応に任せて反発することを瞋と言います。
 中性と感じると、我を忘れて無視してしまいます。これを痴と言います。

 渇愛は、
 欲愛…感覚経験への渇愛(見たい、聞きたい、 嗅ぎたい、味わいたい、触れたい・触れられたい)
 有愛…存在への渇愛(私はこうありたい(あるべきだ)、これは~のようであってほしい(あるべきだ))
 無有愛…非存在への渇愛(好まない対象を受け入れず、否定したり破壊したりしようとする)
 に分けられます。

 取は執着であり、渇愛がさらに高じて固着化し、そのまま何かにはまり込んでしまう段階です。
 はまり込んでしまう対象には、
 ・自身の欲求に答えてくれるモノ
 ・望みを叶えてくれそうな生き方
 ・伝統形式や方法
 ・自己の渇愛に応える何らかの見解や信念
 ・自己概念(我語)
 があります。取によって怒りと同一化したり、イデオロギーや「私」という概念の虜になったりします。

 有は現存性であり、執着に引きずられた、キャラ/性格(好悪、思想、行動、習慣のまとまり)構築プロセスです。心の中に抱かれた自己イメージと言えます。

 生は自我であり、「我」を意識し、確固たる自我(私はこういうことが好きな人、私にはそんなことはできない)が現れる段階です。生により、自己イメージや自己概念の同一化が生じ、自我の確立が生じます。このようにまとまった自己があると生きやすくなります。対して、自我の確立が出来ておらず首尾一貫性の無い人は付き合いにくいです。生きるためには安定性が必要ですが、それがやがて癖になったり自己同一してしまうことで、「私」が形作られるのです。

 老死は、自我の衰退(老)と消滅(死) を指し、求める生き方や自己イメージが実現できないという恐れ、怯えが生じます。自我を実体として認めるようになると、自我の衰退や消滅を恐れるようになり、自我を守ろうとする意識が働くようになります。老死は痛みを伴うため、作り上げてきた自己を如何に守るかという自己中心的なものの見方や思考様式が生じてしまうのです。移ろいゆく身体と心の変化を逐一明晰に捉えることが出来れば、次第に老死への恐怖が和らいできます。

 そして、老死から再び無明へと、苦のループ (輪廻)へ繋がります。

 苦のループに繋がるかどうかの分岐点は「受」です。「受」(快、不快、中性)から渇愛(貪・瞋・痴)が生じれば苦に繋がります(貪瞋痴反応)。サバイバル機能である「受」を使いこなせずに、動物原理的(非機能的)に反応すると、自己嫌悪や過剰反応が生じ、生きづらくなってしまうのです。また、疑心暗鬼や妄想に駆られて、時間やエネルギーを無駄に消耗することにもなってしまいます。
 これに対し、「受」を信、精進、念、定、慧の五力をもって味わうことが出来れば、滅苦に繋がります(念定慧反応)。自覚を持って正しく価値判断を行い、適切な対応を選択出来れば、苦を滅することが出来るのです。
 受の段階だけでなく、渇愛や取の段階でも良いのですが、快や不快に気付いて受け止めて、五力を実践していくことによって、自分の心に適切に対応できるようになり、心の成長が得られ、対他者に対してもパフォーマンスを発揮したり、他人の態度や言葉に対して受容的に反応できるようになってきます。あるがままの感情を受け止めることが出来るようになることで、囚われから解放されるのです。
 人間関係に問題が生じたとき、自分の言い方はどうだったか、相手に合わせた伝え方が出来たかを省みて、他者のために慈悲の念を持って行動できれば、自他の抜苦与楽の喜びが生じます。これに対し、欲や執着があると失望が生じ、苦しみが生まれます。
 このように、自分自身の実践によって、貪瞋痴反応から念定慧反応へと転換していくことが大切なのです。

 慈悲の実践は、見守り、共感、受容、方便、菩薩の誓願(善と真を基盤とした抜苦与楽)、寄り添い(同事、気に掛ける、心配り)の輪であり、慈悲の実践により共にある幸せが生まれるのです。

 
心の成長の三重丸プロセス
タイ・スカトー寺瞑想合宿④プラユキ師の法話-3

 内側の円は、五遍行(思・作意・触・受・想)」(凡夫パーティー)であり、その課題は「よき縁に触れる」こと。
 真ん中の円は、「五別境(求・勝解・念・定・慧)」(智慧パーティー)であり、その課題は「よき縁となす」こと。
※「求(意欲)」は、やる気、成長欲、向上心、求道心、修行者マインド(学びにするぞ!)を言います。
※ 「勝解」は、純粋な意欲・関心に基づいた自覚的なコミットメント(気づかい、心配り) であり、これにより依存心、優柔不断、意志薄弱が減少し、自己コントロール力、自信、自立心が育まれます。
 外側の円は、「誓願・寄り添い・見守り・共感・方便」(慈悲パーティー)であり、その課題は「よき縁となる」こと。
 です。(プラユキ師Twitterより)

⑤に続く

合掌 風印 拝


タイ・スカトー寺瞑想合宿ブログへのリンクです


タイ・スカトー寺瞑想合宿①お寺の環境・生活

タイ・スカトー寺瞑想合宿②プラユキ師の法話-1

タイ・スカトー寺瞑想合宿③プラユキ師の法話-2

タイ・スカトー寺瞑想合宿④プラユキ師の法話-3

タイ・スカトー寺瞑想合宿⑤プラユキ師の法話-

タイ・スカトー寺瞑想合宿⑥プラユキ師の個人面談


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