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擇木ブログ - 長寿と禅(その6)

長寿と禅(その6)

カテゴリ : 
老師通信
執筆 : 
擇木道場 2019/5/23 21:13

長寿と禅(その6)

 

 このテーマもそろそろ終わりにしたいと思います。
 昔から禅者は僧俗を問わず長命であったという根拠をこのシリーズで考えてきているのですが、今までの精神的な安定のみならず、他にもいろいろと多義に渡ってその理由はあると思います。
 たとえば卑近なところで、常に姿勢が良いし腹式呼吸をしていることから胃や腸の消化器系統の健全を保ちやすいことは小生の経験でもあります。
 また、耕雲庵英山老師とか磨甎庵劫石老師を身近で見させていただいて感じたことは、自分の体調管理に極めて綿密に対応しておられるということと、専門家の医者の意見を謙虚に最大限に尊重しつつ、盲従ではなく自分で納得するまで説明を求め、納得したら医師の指示に全面的に従う(実践する)ことが徹底されていました。お二人とも医師の指示でタバコをスパッとやめられたし、お酒好きの耕雲庵老師でしたが医者の指示通りに節酒をきちっとされておられました。
 総括するとお二方から学んだことは長寿は畢竟するにインテリジェンスのフルーツ(結果)であるということです。
 また小生はよく修行は自利のためだけでは最後まで進みにくいけれども利他心が強いと修行を全うしやすいと申しております。すなわち自分のためだけであればいつでもマイペースで修行をし、またいつでも腰を下ろしてしまえるものですが、利他のことを考えていると修行を怠けることができないし、ここら辺で良いかと腰を下ろせないので最後まで行ってしまうのです。
 健康面においても同じことです。塩気が好きだからと高血圧にもかかわらず塩を舐めて酒を飲んでいる人には自分は人のためにあるんだという認識が希薄であり利他心のすくない人だなと思います。同じようにこれだけタバコと肺がんの関係が言われている時代で、タバコがやめられないのも自分一人のわがままを優先して、法恩に報いて利他行を少しでも長くやろうという気持ちになっていない、口でいくらうまいことを言っても本質的には自分の嗜好を利他行より優先する人に冷たい御仁だと言わざるを得ないですね。
 身命財を放擲してといいますが、これは自分のためではなく他人のためにすることであります。禅の修行を長年やっている人は身命を大切にして長生きすることが世のため人のために尽くす最大のミッションになるわけで、長寿は迷える衆生救済のためにまた仏祖方の法恩に報いるために当然なければならない務めであります。 勿論、こう言うと義務とか責任とかの肩の凝る話にとられてもいけませんが、そういうことでは決してありません。
 小生は5月5日に傘寿の祝いをしていただきそれに対して挨拶をさせられました。80歳くらいで祝われる時代ではないと思いますし、更にそれに対して挨拶せよと言われても閉口するばかりでしたが、やむなく次のように話を締めくくりました。
 「・・・・傘寿のお祝いをしていただくというのは甚だ面映いものがありますが、まだ頑張れということと受けとめたいと思います。・・・・当面、磨甎庵老師の92歳を目標として、いらざることをもう少し世に憚ってやらしていただきたいと思います。」
 6回にもわたって「長寿と禅」をブログしたからには、自分でそれを証明しなければならないことになりました。ご迷惑を承知でもうしばらくはばかるつもりですのでよろしくお願いします。合掌

 


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